肥満改善を図るためには、消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーを少なくすることが大切です。
摂取するエネルギー量の目安は性別や年齢、肥満度や合併症があるかどうか、運動や日常生活における身体活動量によって決まります。
標準体重につき1日25~30キロカロリーの範囲から設定するのが一般的です。
例えば身長が160cmのケースでは、1kgが25キロカロリーとして計算します。
すると1.6×1.6×22=56.3kgとなるので、56.3×25=1400kcalが1日分の摂取エネルギーの目安となります。
この目安の数値をオーバーすると肥満になりやすいので注意しなければいけません。
ただし摂取するエネルギーの量を制限しつつも、栄養はきちんと摂取する必要があります。
特に炭水化物を過度に制限してしまうと、神経系や脳へのエネルギー補給が滞ってしまい、血糖コントロールが乱れてしまいます。
すると低血糖となったり、蓄えられた脂肪がケトン体へと変化し、体調が悪化する恐れもあります。
主食と主菜と副菜をしっかりと摂取し、栄養が偏らない食事を心がけましょう。
パンやご飯などの主食は毎食必ず食べるようにしてください。
肥満改善のためにと過度な炭水化物制限を行うことで、逆に体の状態が悪くなり、太りやすくなる危険性もあるのです。
人間の体の20%ほどはタンパク質でできています。
そのためタンパク質も毎日摂取するべきと言えるでしょう。
良質なタンパク質は主に肉や卵、大豆製品や魚類に含まれています。
他にもミネラルやビタミンといった栄養素の摂取は肥満改善に欠かせません。
これらの栄養素は自らの力で作り出すことはできないので、食事で摂取しなくてはいけません。
脂肪の吸収を抑制する働きがある食物繊維も肥満を改善するに当たって重要な役割を発揮します。
便通も改善されるため、老廃物がスムーズに排出されるようになります。
効率的に肥満を改善するためには、食事制限を厳しくするのではなく、摂取エネルギーの目安を守り、きちんと栄養素を摂って規則正しい食生活を送ることが大切なのです。